電子書籍で購入した池井戸作品です
2016年1月30日

建設業界が舞台の池井戸潤の小説「鉄の骨」

池井戸人気は2016年に入っても衰え知らずですねぇ。

半沢シリーズ、最近では下町ロケット。私はテレビドラマは見なかったのですが、一通り小説では読みました。
今は電子書籍ですね。iPadで、BookliveのサービスとAmazonのKindleを利用して読んでいます。

電子書籍で購入した池井戸作品です

電子書籍で購入した池井戸作品です

 

池井戸作品のほとんどは経済がテーマですが、比較的ライトな内容でサクサクと読み進める事ができます。
エンターテイメント小説として楽しく読むことが出来ますが、何冊も読んでいると根っこは単純な勧善懲悪物である事が多いんですよね。ステレオタイプな敵役が出てきて(だいたいは大企業勤務)、散々主人公がやり込められるのですが、最後にどんでん返しが待っており、最後にスカッとする展開になります。まるで水戸黄門を見ているような感じの展開ですね。

そんな理由で、ちょっと食傷気味になってしまっている池井戸作品なのですが、私のオススメは次の2作です。そう、この2作はパターンから外れているのです。

 

一つは「空飛ぶタイヤ」。実際にあった事件をモデルにしており、池井戸作品の中でも重厚で、考えさせられる内容になっております。

上下巻の2冊。リンクはAmazonです。
電子版なんかは合本で販売して頂けると嬉しいのですが・・・きっと難しいのでしょうね。大人の事情で。

 

そして、オススメのもう一つが、我らが建設業を舞台にした小説、「鉄の骨」です。
建設業界を舞台にしている小説はほとんど見かけませんよね。そういう意味でも珍しい小説だと思います。

内容を簡単に申しますと、建築の施工管理をやっている若手社員が公共事業を担当する営業に配属されます。この点、建築から土木ということでちょっと違和感を感じたのですが、まぁ、ストーリーの本質とは関係ないので良しとしましょう。
そして、テーマは「やはり」というべきか、談合。池井戸小説によく出てくる、前述のようなステレオタイプの敵役は出てこないです。フィクサー役もなんとも人間味のある人物です。
この小説も実際の事件がモデルになっています。

建設業界に身を置く我々としては、若手社員の奮闘に共感すること間違いなしですね。

最後もスカッとする展開かと言われると・・・?ですが、それがまたいい「重さ」を感じさせてくれます。

 

「鉄の骨」は、池井戸ブームが来る前、もう何年も前にNHKでドラマ化されています。残念ながら、これもドラマは見ていないのですが・・・ちょっと見てみたいですね。

 

「空飛ぶタイヤ」はWOWOWでドラマ化済みです。
Amazonビデオで見られるのか!!

 

 

P.S.
ちなみに談合といえば、ちょっと古い記事ですが大前研一氏のコチラの記事談合をなくす二つの妙案は必読ですね。
落札価格が下がれば、工事の品質も下がる。当たり前のことなのですが、グラフにまとめられていて、説得力があります。

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